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ラボ型開発(ODC)とは?SESとの違いやメリットをわかりやすく解説!

2023/12/15
2023/11/22
ラボ型開発(ODC)とは?SESとの違いやメリットをわかりやすく解説!

日本のIT業界全体で、常に人が足りない状態が続いており、これは深刻な課題となっています。IT人材の中でも、特にAI、データサイエンス、クラウドコンピューティングなどの先端技術領域での専門家が不足しています。

さらに日本では若手人材も不足しており、長期的な人材育成もままならないのが今の現実です。そのため新しい技術やアイデアを試したくても、すぐに実現できないもどかしさを感じている企業も少なくありません。

こうした問題を解決するのが、「ラボ型開発」というアプローチです。

ラボ型開発はオフショア開発の選択肢の一つとしてよく取り上げられ、他社、特に海外のリソースを自社の専門チームとして確保しておける開発手法として注目されています。

ラボ型開発のアプローチでは、自社にリソースがない企業が開発パートナーを得られるというメリットがありますが、同時にマネジメントが難しいという課題もあります。

本記事では、ラボ型開発に関する基本的な概要、さらにオフショア開発におけるラボ型開発のセオリーについて、ベトナムで日本企業向けラボ型開発サービス提供の実績を持つRabiloo(ラビロー)のブログ編集部が詳しく解説します。

この記事の対象読者

  • ラボ型開発について知りたい

  • ラボ型開発とSES、従来の開発方法との違いを知りたい

  • ラボ型開発が得意なベンダー不得意なベンダーの違いを知りたい

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ラボ型開発とは

ラボ型開発とは

ラボ型開発とは、プロジェクトに必要な技術を持つ、専門チーム(ラボ)をクライアントのために構築し、チームがクライアントと長期的に一緒に働くモデルです。

簡単にいうと、ラボ型開発は、製品の完成を請け負うのではなく、開発のために必要なエンジニアを貸し出す、といったイメージです。

ラボ型開発においてベンダーは、クライアントの特定のプロジェクトのために専門のチームを構築し、一定期間(半年〜1年またはそれ以上)クライアントにエンジニアリソースを提供します。チームはクライアントのプロジェクト専属チーム(ラボ)としてリモートで開発を進めます。

さらに近年では、チームでなくても、一時的なエンジニアの増員のために1ヶ月、1名からといった柔軟な提供スタイルを売りにする企業も増えてきました。

請負契約で行う開発との違い

ラボ型開発は、ラボ契約で行われます。ラボ契約とは、一般的にソフトウェア開発において行われる契約形態の一つで、準委任契約の中に含まれます。

※準委任契約と請負契約の違いについて詳しくは、エンジニアのラボ契約とは?請負契約・準委任契約との違いを解説!という記事をご覧ください。

ラボ契約では、エンジニアの人数と期間に基づいて契約が結ばれるため、製品の納品をゴールとしません。最終仕様が明確に定まっていない案件、長期にわたってテストと改良を繰り返していくようなプロダクトの開発プロジェクトによく採用されます。

さらにラボ型開発はアジャイルと相性が良く、新しいアイデアや技術、アプリ・ソフトウェアのプロトタイピングを実験的に試しながら開発を進めるという特徴があります。

rabiloo.com

請負

ラボ

委託契約の種類

請負契約(民法第632条)

準委任契約(民法第656条)

目的

成果物の完成

労働

報酬

成果物の検収後

仕事の期間と人数

ベンダーの責任

契約不適合責任
(旧:瑕疵担保責任)

善管注意義務

報告義務

なし

あり

仕様変更

できない
(再契約が必要)

可能

エンジニア

プロジェクトごとに解散

プロジェクト終了後も継続

ラボ型開発とSESの違いは?

ラボ型開発とSESの違い

SES(システムエンジニアリングサービス)もクライアントのためにエンジニアを提供するサービスですが、エンジニアをクライアントのプロジェクトに派遣するという点でラボ型開発とアプローチが異なります。

SESではエンジニアをクライアントのオフィスに常駐させ、直接顔を合わせてプロジェクトを行いますが、ラボ型開発では、エンジニアチームは自分が勤務するベンダーのオフィスで働き、リモートでプロジェクトを進めます。

ラボ型オフショア開発(ODC)とは

ラボ型開発はオフショア開発の選択肢の一つとして行われます。

オフショア開発とは、海外のリソースを使って開発を行う手法ですが、主に2つのアプローチがあります。

一つは、請負契約で行われる受託開発です。請負開発は、プロダクトの仕様が明確で、納期も決まっている案件に対して用いられるアプローチです。オフショアチームは日本側で行った要件定義と基本設計に基づき、システムの構築と実装とテストを行い、納品をゴールとします。最近ではオフショアベンダーの技術が上がり、上流工程から任せるケースも増えてきました。

いずれにしても、決められた要件と納期に従って開発を請け負うアプローチです。

もう一つのアプローチがラボ型開発です。

オフショアで行われるラボ型開発は英語ではODC(Offshore Development Center=オフショア開発センター)と呼ばれ、海外の開発拠点に自社の開発チームを組んでプロジェクトを進める開発手法のことです。

ラボ型開発は、MVPでリリースを行い、ユーザーの反応を見ながらテストを繰り返し長期にわたってバージョンアップを繰り返していくようなWebサービスやアプリの開発でよく導入されています。さらに、開発から規模を落として運用・保守に長期にわたってリソースを活用する場合にも選択されるアプローチです。

関連記事:オフショア開発とは?最新動向とメリット・デメリットを簡単にわかりやすく解説!

ラボ型開発が強いのはベトナム

従来のオフショア開発は人件費の安いアジアの海外リソースを使うことによるコスト削減が主なメリットでしたが、近年では、即戦力エンジニアリソースの確保が主なメリットに変化しています。

特にコロナ禍でリモートワークの文化が定着して以降、地理的な隔たりはあまり大きな障壁ではなくなったため、海外とのプロジェクトもよりスムーズに行えるようになっています。

ここ数年のトレンドとして、ベトナムがラボ型開発でよく利用されるようになっています。

理由として考えられるのは

  • ベトナムは日本企業向けのオフショア開発で経験を積んできた

  • 10年前と比較して飛躍的に技術が向上した

  • 日本からの時差が少ない

  • 日本語対応可能なベンダーも多い

以上のような理由から日本企業にとってプロジェクトを進めやすいことが関係しています。

関連記事:二極化が進む円安時代のベトナムラボ型開発が抱える悩みと課題とは?

国内のラボ型開発は?

ラボ型開発は日本国内でも行われていますが、サービスを展開する企業の数は少数です。国内ラボ型開発ではニアショアで行われることが多く、国内の地方都市のエンジニアが東京など大都市の提供されます。

しかし、日本はそもそも全国的に開発リソースが不足しており、特に先端技術エンジニアを確保するのが至難の業です。リソースの絶対数が少ないという致命的な課題があります。

若い人材、高スキルリソースの豊富さでいうと、ベトナムを始めとした海外オフショアに軍配があがります。

ラボ型オフショア開発の体制

ラボ型開発は柔軟さが特徴なので、基本的にプロジェクトやクライアントの要望によりチーム編成は異なります。

しかし基本的に、チームの中にブリッジSE(BrSE)を1名配置して、海外チームの進捗を管理します。

多くの場合日本語が堪能で経験豊富な海外エンジニアがブリッジSEを担当し、クライアントと専属チームの橋渡しを担います。ブリッジSEは設計書や仕様書を翻訳し、クライアントからの指示出しをチームに伝え、進捗を報告します。また毎週ビデオ会議で定例ミーティングを行い、スケジュールの調整を行います。

英語の堪能な日本人がブリッジSEに入る場合もあります。

ブリッジエンジニアについて詳しくは**ブリッジSE【BrSE】とは?役割と必要なスキルを具体的に解説!**という記事をご覧ください。

例として、4人体制でアプリをラボ型で開発する場合、チーム体制は以下のようになります。

  • ブリッジSE 1名

  • プログラマー 2名

  • テスター 1名

ラボ型開発の体制

ラボ型開発のメリット

ラボ型開発には以下のようなメリットがあります。

  • 柔軟な開発が可能

  • エンジニアを柔軟に確保できる

  • リリースまでの時間が早い

  • コストが安くなる場合も

  • 長期的な関係を構築できる

柔軟な開発が可能

ラボ型開発はアジャイルの考え方で進められるため、柔軟な開発が行えます。一方、受託開発はウォーターフォールで進めらるため、開発の途中で仕様変更が行えません。

ラボ型開発は「完成」がゴールではないため、MVPで最低限の仕様のリリースを行い、ユーザーの反応を見ながら改善を繰り返すことができます。

仕様変更にも柔軟に対応できます。

エンジニアを柔軟に確保できる

ラボ型開発では、労働力の提供を行います。必要な時に必要なだけ、リソースを柔軟に補強できます。

エンジニアを自社で雇用する場合は、採用、育成、福利厚生など多くのコストや時間がかかります。さらに、タスクがない時にも給料が発生し、育成後に独立してやめられるリスクもあります。

ラボ型開発なら、プロジェクトに必要な即戦力エンジニアを探す手間が省けます。エンジニアの確保とチームの構築をすぐに依頼できます。仮にチームに欠員が出ても、代替要員がすぐあてがわれ、タスクを全うすることは契約で保証されています。

リリースまでの時間が早い

ウォーターフォール型の開発では、あとでやり直しが効かないため、要件定義と設計のフェーズを慎重に進めます。そのため、プロジェクトが始動するまでに時間がかかります。

一方、ラボ型開発では、チームの編成が出来次第、すぐに開発に取り掛かることができます。

MVP開発で、製品の初期バージョンを早期にリリースし、ユーザーのフィードバックを収集しながら、製品の改善や方向性の見直しを行うことができます。

コストが安くなる場合も

請負契約では、基本的に仕様の追加や変更はできませんが、クライアント都合で要件の変更を要求されることがよくあります。些細な変更であれば、ベンダーが要求を呑んで契約外の工数をサービスで行うこともしばしばです。これはある種避けられないことです。

しかし、実はここだけの話ですが、こうしたリスクをとって、請負契約の見積もりには予定外の工数も考慮した利益があらかじめ上乗せされていることがあります。

そのため、開発単体で見たとき、請負契約はラボ型開発よりも費用が高くなる傾向があります。この理由からラボ型を選択した方がコストが安くなる場合があります。

長期的な関係を構築できる

受託開発では、プロジェクトが終了すればチームは解散し、せっかく溜まったノウハウを次のプロジェクトに生かすことができません。

一方ラボ型開発では、チームが時間をかけてプロジェクトに精通し、ノウハウがたまっていくため、どんどん効率がよくなります。

また、クライアントとチームのコミュニケーションがスムーズになっていくため、誤解を防ぎ、信頼と理解も深まります。

プロダクトの改善と保守を長期にわたってアウトソースすることが可能です。

ラボ型開発のデメリット

ラボ型開発は長期のアプローチになるため、プロジェクトの目的をしっかり見極めた上で選択する必要があります。ラボ型開発では以下のような点がデメリットとなるかもしれません。

単発の案件ではメリットが出ない

もともとラボ型の開発モデルは、長期的なアプローチを前提としているため、短期の案件ではコスト効率が良くない場合があります。

あらかじめ仕様が明確で変更がなく、納期も決まっているような開発案件ではウォーターフォールの請負契約の方がマネジメントしやすいでしょう。

プロジェクト終了後も契約期間が残っていれば、タスクがなくてもコストが掛かります。

マネジメントにはノウハウが必要

オフショア開発に初めて取り組む場合、いきなり、ラボ型を選択するのは少しハードルが高くなります。なぜなら ラボ型では、クライアントが主導でスケジュールを組み、マネジメントをしていく必要があるため、クライアント側にマネジメントをうまく行う行うノウハウが求められます。

プロジェクトマネジメントに慣れていないと、言語も文化も異なる海外のエンジニアチームをマネジメントするのは難しく、失敗に終わるケースもあります。

品質や納期に関してベンダーの責任が少ない

請負契約では、ベンダーは製品や納期に対して責任を負います(契約不適合責任)。

一方、ラボ型開発におけるベンダーの責任は「善管注意義務」つまり、期待されている程度に働いてください、という責任です。そのためラボ型開発では、毎日のタスクに対して進捗報告が要求されます。

しかし不安は、チームが本当に仕事しているかどうかが見えづらい、ということです。

ラボ型開発を進める際のセオリー

オフショア開発においてラボ型開発を進める際も最も効果的なアプローチについて考えましょう。

以下のような要素がセオリーになっています。

まずは請負の小さな案件で様子を見る

ラボ型開発は長期にわたる関係になるため、チームやブリッジSEとの相性が何より重要です。

場合によっては、ラボ契約を結んだものの、うまく噛み合わなかったということもあります。

そのため多くの企業はそうしたリスクをとって、いきなりラボ型開発を進めるのではなく、最初はスモールスタートで様子を見るようにしています。小さな請負の案件で成功体験を積み、その後ラボ型へ移行していくのがセオリーになっています。

プロジェクト担当者のレスポンスは重要なヒント

長続きできる開発パートナーを見極めるには、見積もりの段階で担当者の対応を見ておくことは重要です。結局、最初の対応や第一印象はそのままプロジェクトが始まったときの、対応になっていくからです。

会社には活気があるでしょうか。担当者(ブリッジSE)の理解力や提案力はどうでしょうか。無気力、無機質な対応のベンダーとはおそらくプロジェクトが始まっても不満が出てくるだけなので、見積もりの段階で見極めていくことが必要です。

企業が取得している認証資格をチェックする

ベンダーの開発やセキュリティに関する品質を見極めるのに、ベンダーが取得している認証資格をチェックすることも有益です。

ソフトウェア開発に関する認証資格には以下のようなものがあります。

  • ISO 9001(品質管理システム):品質管理システムの基準を定める国際規格。この認証を持つ企業は、製品やサービスの品質を一貫して維持し、顧客満足を高めるためのプロセスを確立しています。

  • ISO 27001(情報セキュリティ管理システム):情報セキュリティ管理に関する国際規格。この認証を持つ企業は、情報セキュリティのリスク管理に関して高い基準を持っていることを示しています。

  • CMMI(組織の成熟度):CMMIは、ソフトウェア開発プロセスの成熟度と能力の向上を目指すモデルです。CMMI認証レベル3を持つ企業は、開発プロセスが整備され、効率的で品質の高いソフトウェア開発を行っていることが期待できます。

認証資格が決して全てではありませんが、開発品質の良いソフトウェア開発企業を見定める際に、企業が取得している認証資格は参考になります。これらの認証資格は、一定の業界基準や品質基準を満たしていることを示し、企業の信頼性や専門性の証明となります。

ラボ型オフショア開発に関してよくある質問

Q. ラボ型オフショア開発の費用はどのように計算されますか?

A. 費用は通常、専用チームの給与、オフィス運営費、管理費用、およびプロジェクト管理に関連するその他の経費を含む月額または年額ベースで計算されます。通常はエンジニア単価にそれらが含まれ工数にかかる見積もりを人月単価で出します。

Q. チームとのコミュニケーションを効果的に行うにはどうすればいいですか?

A. 定期的なミーティング、透明性のあるコミュニケーションチャネルの確立、共通言語(日本語もしくは英語)でのコミュニケーション、適切なプロジェクト管理ツールの使用、そして文化的違いへの理解と尊重が重要です。

Q. プロジェクトが終了した後、ラボ型オフショアチームはどうなりますか?

A. プロジェクト終了後、チームは解散されるか、他のプロジェクトに再割り当てされることが一般的です。チームメンバーのスキルに応じて、他の用途やプロジェクトに活用することも可能です。

まとめ

本記事ではラボ型開発についての概要とセオリーについて解説しました。

ラボ型開発は、コスト削減、専門技術エンジニアの獲得、拡張性と柔軟性、専用チームによる一貫した品質の維持、そしてプロジェクト要件に対する柔軟な対応などのメリットがあります。

今後さらに多くの日本企業の多くが、ラボ型開発を取り入れていくことが考えられます。

市場での競争力を高めるため、またスピード感を持って市場に参入していくために、ラボ型開発を取り入れるのは賢明な選択になっていくでしょう。

Rabiloo(ラビロー)はベトナムのソフトウェア開発会社です。

国内の優秀なエンジニアリソースを抱えて、柔軟なエンジニア提供を行っています。エンジニアの85%は国内最難関のハノイ工科大学の出身で、経営者は全員ハノイ工科大学出身です。

SO 9001、ISO 27001の取得、さらにはベトナム企業最速でCMMIレベル3を取得し、高品質で効率の良い開発を保証します。

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