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ラボ型開発(ODC)とは?SESとの違いやメリットをわかりやすく解説!

2024/06/18
2023/11/22
ラボ型開発(ODC)とは?SESとの違いやメリットをわかりやすく解説!

オフショア開発のアプローチは大きく「請負型」と「ラボ型」の2種類に分かれます。

かつてのオフショア開発は、海外に下流工程の下請けを出す「請負型」が主流でしたが、近年は「ラボ型」の活用が一般的になっています。

本記事では、ラボ型開発に関する基本的な概要、「ラボ型開発」を選択する企業が増えている要因、ラボ型開発を利用するメリットについて、ベトナムでラボ型開発サービスを提供Rabiloo(ラビロー)のブログ編集部がわかりやすく解説します。

この記事の対象読者

  • ラボ型開発について知りたい

  • ラボ型開発とSES、従来の開発方法との違いを知りたい

  • ラボ型開発の基本的な進め方を知りたい

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1.ラボ型開発(ODC)とは?

ラボ型開発とは

ラボ型開発とは、海外にプロジェクト専門チーム(ラボ)を構築し、中長期にわたって開発リソースとして活用するモデルです。

ラボ型開発は、英語では「ODC(Offshore Development Center=オフショア開発センター)」と呼ばれ、海外の開発拠点に自社の開発チームを組んでプロジェクトを進める開発手法のことを表しています。

ラボ型開発では、製品の完成を請け負う「請負契約」ではなく、開発のために必要な労働力を期間と人数に応じて提供するための「ラボ契約」が結ばれます。

ベンダーは、クライアントの特定のプロジェクトのために専門のチームを構築し、一定期間(半年〜1年またはそれ以上)クライアントにエンジニアリソースを提供します。チームはクライアントのプロジェクト専属チーム(ラボ)として、海外からリモートで開発を進めます。

オフショア開発におけるラボ型開発は、ベトナムなど、海外の若くて優秀なエンジニアを自社の開発リソースとして柔軟に確保、拡張できるため、昨今の深刻なIT人材不足に対するソリューションとして、多くの企業で導入されています。

関連記事:オフショア開発とは?最新動向とメリット・デメリットを簡単にわかりやすく解説!

2.請負契約で行う従来のオフショア開発との違い

従来のオフショア開発とラボ型開発では以下の点が異なります。

2-1.目的が違う

従来のオフショア開発は、「請負契約」で進められ、人件費の安い海外に開発の下流工程を下請けに出すことで開発コストを下げることが主な目的でした。ベンダーは、決められた仕様通り期日までに製品を完成させることを請け負い、開発チームは案件が終了すると解散します。

一方、ラボ型開発は「完成」がゴールではなく、「労働力の提供」が主な目的になります。開発はソフトウェア開発で一般的に行われる「準委任契約」の中に含まれる「ラボ契約」で進められます。ラボ契約では、エンジニアの人数と期間に基づいて契約が結ばれます。

2-2.チームを確保しておける

さらにプロジェクトが終了しても、チームを確保しておくことができ、チームを次のプロジェクトに使える点が大きな違いです。

2-3.仕様変更に柔軟に対応できる

請負契約では、いったん開発が始まると仕様の変更はできませんが、ラボ型開発では、開発の途中でも仕様の変更に柔軟に対応できます。最終仕様が明確に定まっていない案件、長期にわたってテストと改良を繰り返していくようなプロダクトの開発プロジェクトによく採用されます。

さらにラボ型開発はアジャイルと相性が良く、新しいアイデアや技術、アプリ・ソフトウェアのプロトタイピングを実験的に試しながら開発を進めるという特徴があります。

※準委任契約と請負契約の違いについて詳しくは、エンジニアのラボ契約とは?請負契約・準委任契約との違いを解説!という記事をご覧ください。

rabiloo.com

請負

ラボ

委託契約の種類

請負契約(民法第632条)

準委任契約(民法第656条)

目的

成果物の完成

労働

報酬

成果物の検収後

仕事の期間と人数

ベンダーの責任

契約不適合責任
(旧:瑕疵担保責任)

善管注意義務

報告義務

なし

あり

仕様変更

できない
(再契約が必要)

可能

エンジニア

プロジェクトごとに解散

プロジェクト終了後も継続

3.ラボ型開発のメリット

オフショア開発をラボ型アプローチで進めると、以下のようなメリットがあります。

  • 柔軟な開発が可能

  • エンジニアを柔軟に確保できる

  • リリースまでの時間が早い

  • コストが安くなる場合も

  • ノウハウが蓄積される

3-1.柔軟な開発が可能

請負契約で進められる開発は、契約で決められた仕様通りに完成しなければならないため、基本的に、途中で仕様変更が行えません。力技で仕様変更を行うと、余分のコスト、工数、納期の遅延などのリスクが生じます。また、スケジュールに無理が生じるため、プロジェクトの品質の低下にもつながります。

一方、ラボ型開発は、開発の途中で仕様の変更が生じても柔軟に対応できます。

またアジャイルとの相性が良く、最初から完成を求めるのではなく、MVP開発で、ユーザーや市場の実際の反応を見ながら少しずつ改良を重ねていくことができます。

関連記事:MVP開発とは?プロトタイプとアジャイルとの違いは

3-2.エンジニアを柔軟に確保できる

ラボ型開発では、自社にエンジニアがいなくても社外にチームを構築できます。また、必要なときにリソースを補強できるため規模を柔軟に拡張、縮小できるというメリットがあります。

エンジニアの雇用には、採用、福利厚生、育成などに多くのコストや時間がかかります。タスクがない時にも給料が発生し、育成後に独立してやめられるリスクもあります。

ラボ型開発では、エンジニアの確保とチームの構築を依頼でき、エンジニアの採用と育成、雇用などの責任はベンダーが負います。チームに欠員が出ても、代替要員がすぐあてがわれ、タスクを全うすることは契約で保証されています。

3-3.リリースまでの時間が早い

ウォーターフォール型の開発では、あとでやり直しが効かないため、要件定義と設計のフェーズを慎重に進めます。そのため、プロジェクトが始動するまでに時間がかかります。

一方、ラボ型開発では、チームの編成が出来次第、すぐに開発に取り掛かることができます。

MVP開発で、製品の初期バージョンを早期にリリースし、ユーザーのフィードバックを収集しながら、製品の改善や方向性の見直しを行うことができます。

3-4.コストが安くなる場合も

請負契約では、基本的に仕様の追加や変更はできませんが、クライアント都合で要件の変更を要求されることがよくあります。些細な変更であれば、ベンダーが要求を呑んで契約外の工数をサービスで行うこともしばしばです。これはある種避けられないことです。

しかし、実はここだけの話ですが、こうしたリスクをとって、請負契約の見積もりには予定外の工数も考慮した利益があらかじめ上乗せされていることがあります。

そのため、開発単体で見たとき、請負契約はラボ型開発よりも費用が高くなる傾向があります。この理由からラボ型を選択した方がコストが安くなる場合があります。

3-5.ノウハウが蓄積される

請負開発では、基本的に全て外注になるため、社内にノウハウが蓄積しません。プロジェクトが終了すればチームは解散し、ノウハウを次のプロジェクトに生かすことができません。

一方、ラボ型開発ではチームは時間とともに仕事に関するノウハウがたまり、どんどん効率がよくなります。

コミュニケーションもスムーズになっていき、信頼と理解が深まります。リソースを運用と保守として使い続けることもできます。

4.ラボ型開発とSESの違いは?

ラボ型開発とSESの違い

SES(システムエンジニアリングサービス)もクライアントのためにエンジニアを提供するサービスですが、エンジニアをクライアントのプロジェクトに派遣するという点でラボ型開発とアプローチが異なります。

SESではエンジニアをクライアントのオフィスに常駐させ、直接顔を合わせてプロジェクトを行いますが、ラボ型開発では、エンジニアチームは自分が勤務するベンダーのオフィスで働き、リモートでプロジェクトを進めます。

5.ラボ型開発のトレンドはベトナム一強

従来のオフショア開発はコスト削減が主な目的でしたが、近年では、リソースの確保が主なメリットに変化しています。

特にコロナ禍でリモートワークの文化が定着して以降、海外チームとの共同プロジェクトは以前よりスムーズに行えるようになっています。

ここ数年のラボ型開発のトレンドとして人気を集めているのはベトナムです。ベトナムはコロナ禍以降も、デジタル経済が飛躍的に成長しており、東南アジアのテクノロジーハブとして世界中のグローバル企業が開発拠点を設けています。

ベトナムには以下のような強みがあります。

  • 平均年齢が若く、活気にあふれている

  • 日本市場での経験が豊富

  • 技術が飛躍的に向上し、AIなど先端技術にも強い

  • 国策で若いIT人材の大量育成に成功している

  • 距離も近く時差も少ない

  • 多くのベンダーが日本語対応可能

近年では地政学リスクの高い中国に変わり、多くの大手企業がこぞってベトナムに開発拠点を設置しています。

関連記事:二極化が進む円安時代のベトナムラボ型開発が抱える悩みと課題とは?

5-1.国内のラボ型開発は?

ラボ型開発は日本国内でも行われていますが、ラボ型開発サービスを展開する企業の数はごく少数です。国内ラボ型開発ではニアショアで行われ、北海道や九州など地方都市のエンジニアが東京、大阪など大都市に提供されます。

しかし、日本はそもそも少子高齢化で深刻なIT人材不足を抱えており、先端技術エンジニアを確保するのが至難の業です。リソースの絶対数が少ない事実は否めません。人材の豊富さでいうと、ベトナムに軍配があがります。

6.ラボ型オフショア開発の体制

ラボ型開発は柔軟さが特徴なため、要望によりチーム編成は異なります。

しかし基本的には、チームにコミュニケーションと橋渡しとなるブリッジSE(BrSE)を1名配置して、海外チームと日本の進捗を調整します。

ラボ型開発の体制

多くの場合、経験のある日本語エンジニアがブリッジSEを担当し、クライアントと専属チームの橋渡しを担います。ブリッジSEは設計書や仕様書を翻訳し、クライアントからの指示出しをチームに伝え、進捗を報告します。また毎週ビデオ会議で定例ミーティングを行い、スケジュールの調整を行います。

英語の堪能な日本人がブリッジSEに入る場合もあります。

ブリッジエンジニアについて詳しくはブリッジSE【BrSE】とは?役割と必要なスキルを具体的に解説!という記事をご覧ください。

例として、4人体制でアプリをラボ型で開発する場合、チーム体制は以下のようになります。

  • ブリッジSE 1名

  • プログラマー 2名

  • テスター 1名

7.ラボ型開発のデメリット

最後にラボ型開発のアプローチを選択する前に考えておきたいラボ型開発のデメリットについて考えましょう。

ラボ型開発は長期のアプローチになるため、プロジェクトの目的をしっかり見極めた上で選択する必要があります。ラボ型開発では以下のようなデメリットがあります。

7-1.単発の案件ではメリットが出ない

もともとラボ型の開発モデルは、長期的なアプローチを前提としているため、短期の案件ではコスト効率が良くない場合があります。

あらかじめ仕様が明確で変更がなく、納期も決まっているような開発案件ではウォーターフォールの請負契約の方がマネジメントしやすいでしょう。

ラボ型開発の場合、プロジェクト終了後も契約期間が残っていれば、タスクがなくてもコストが掛かります。

7-2.マネジメントにはノウハウが必要

ラボ型では、ラボ型開発では、クライアントが主導でマネジメントをしていく必要があるため、クライアント側にノウハウが求められます。初めてオフショア開発に取り組む場合、ノウハウのない状態で、言語も文化も異なる海外のエンジニアチームをマネジメントするのは難しく、失敗に終わるケースもあります。いきなりラボ型で進めるのではなく、簡単な請負案件で様子を見て、うまくいきそうなら、ラボ型に切り替えるのがセオリーになっています。

そのため、マネジメントに関するノウハウを貯め、ベンダーやチームとの相性を確かめるためにも、初めてのオフショア開発は、短期の請負案件でスモールスタートすることをおすすめします。

7-3.品質や納期に関してベンダーの責任が少ない

請負契約では、製品や納期に対して責任を負うのはベンダーです。(契約不適合責任)。

一方、ラボ型開発におけるベンダーの責任は「善管注意義務(=期待されている程度に働いてください、という責任)」です。そのためラボ型開発では、毎日のタスクに対して進捗報告が要求されます。

ラボ型開発では、チームが本当に仕事しているかどうかが見えづらい、という不安があります。

その責任を可視化するために、多くのベンダーでは進捗を終えるようにプロジェクト管理ツールを活用しています。

いずれにしても、ラボ型開発では開発をベンダー丸投げすることはNGで、発注者が積極的にプロジェクトの管理の主導権を握ることが求められます。

8.ラボ型開発の基本的な進め方

オフショア開発においてラボ型開発を進める際も最も効果的なアプローチについて考えましょう。

以下のような要素がセオリーになっています。

8-1.まずは小さな請負案件で様子を見る

ラボ型開発は長期にわたる関係になるため、チームやブリッジSEとの相性が何より重要です。

場合によっては、ラボ契約を結んだものの、うまく噛み合わなかったということもあります。

そのため多くの企業はそうしたリスクをとって、いきなりラボ型開発を進めるのではなく、最初はスモールスタートで様子を見るようにしています。小さな請負の案件で成功体験を積み、その後ラボ型へ移行していくのがセオリーになっています。

8-2.プロジェクト担当者のレスポンスをしっかり見極める

長い付き合いができる開発パートナーを見極めるためには、見積もりの段階で担当者の対応を見ておくことは重要です。結局、そのときの対応や第一印象はそのままプロジェクトにおける対応になっていくからです。

  • ベンダーには活気があるでしょうか。

  • 担当者(ブリッジSE)の理解力や提案力はどうでしょうか。

無気力、無機質な対応のベンダーとはおそらくプロジェクトが始まっても不満が出てくるので、見積もりの段階で見極めていくことが必要です。

8-3.取得している認証資格をチェックする

ベンダーの開発やセキュリティに関する品質を見極めるのに、ベンダーが取得している認証資格をチェックすることも有益です。

ソフトウェア開発に関する認証資格には以下のようなものがあります。

  • ISO 9001(品質管理システム):品質管理システムの基準を定める国際規格。この認証を持つ企業は、製品やサービスの品質を一貫して維持し、顧客満足を高めるためのプロセスを確立しています。

  • ISO 27001(情報セキュリティ管理システム):情報セキュリティ管理に関する国際規格。この認証を持つ企業は、情報セキュリティのリスク管理に関して高い基準を持っていることを示しています。

  • CMMI(組織の成熟度):CMMIは、ソフトウェア開発プロセスの成熟度と能力の向上を目指すモデルです。CMMI認証レベル3を持つ企業は、開発プロセスが整備され、効率的で品質の高いソフトウェア開発を行っていることが期待できます。

企業が取得している認証資格は、開発品質の良いソフトウェア開発企業を見定める際にかなり参考にできます。認証資格が資格が取れているという事は、その企業が組織として一定の業界基準や品質基準を満たしていることを示し、企業の信頼性や専門性の証明となります。

9.ラボ型オフショア開発に関してよくある質問

Q. ラボ型オフショア開発の費用はどのように計算されますか?

A. 費用は通常、専用チームの給与、オフィス運営費、管理費用、およびプロジェクト管理に関連するその他の経費を含む月額または年額ベースで計算されます。通常はエンジニア単価にそれらが含まれ工数にかかる見積もりを人月単価で出します。

Q. チームとのコミュニケーションを効果的に行うにはどうすればいいですか?

A. 定期的なミーティング、透明性のあるコミュニケーションチャネルの確立、共通言語(日本語もしくは英語)でのコミュニケーション、適切なプロジェクト管理ツールの使用、そして文化的違いへの理解と尊重が重要です。

Q. プロジェクトが終了した後、ラボ型オフショアチームはどうなりますか?

A. プロジェクト終了後、チームは解散されるか、他のプロジェクトに再割り当てされることが一般的です。チームメンバーのスキルに応じて、他の用途やプロジェクトに活用することも可能です。

10.まとめ

本記事ではラボ型開発についての概要とセオリーについて解説しました。

ラボ型開発は、コスト削減、専門技術エンジニアの獲得、拡張性と柔軟性、専用チームによる一貫した品質の維持、そしてプロジェクト要件に対する柔軟な対応などのメリットがあります。

今後さらに多くの日本企業の多くが、ラボ型開発を取り入れていくことが考えられます。

市場での競争力を高めるため、またスピード感を持って市場に参入していくために、ラボ型開発は今後ますます賢明な選択肢になるでしょう。

Rabiloo(ラビロー)はベトナムのグローバルテクノロジー企業です。

優秀なエンジニアリソースを抱えて、柔軟なエンジニア提供を行っています。エンジニアの85%は国内最難関のハノイ工科大学の出身で、経営者は全員ハノイ工科大学出身です。

SO 9001、ISO 27001の取得、さらにはベトナム企業最速でCMMIレベル3を取得し、高品質で効率の良い開発を保証します。

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