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ベトナムはなぜラボ型開発を得意にしているのか【進む二極化】

2023/12/15
2023/11/28
ベトナムはなぜラボ型開発を得意にしているのか【進む二極化】

カントリーリスクや人件費の高騰で、中国でのオフショア開発が下火になった昨今、ポスト中国として日本のオフショア開発の受け皿となっているがベトナムです。特に2010年代後半から日系開発企業のベトナム現地子会社が雨後の筍のごとく設立され、さらに日本帰りのベトナム人エンジニアが起業したベトナム現地スタートアップIT企業も急増しています。これらのベトナムベンダーは日本語対応できることを強みにして、日本企業のオフショア案件を受けています。

そんなベトナムオフショア開発が特に強みにしているのが、ラボ型開発です。

ラボ型開発はベトナムオフショア開発の代名詞と言えるほど、ベトナムではラボ型開発が盛んになっていますが、次第に市場は飽和状態になりつつあり、追い討ちをかけるように円安によって以前ほど利益が出せなくなっている企業も少なくありません。

本記事は、日本のオフショア案件を数多く手がけてきた、ベトナムのソフトウェア開発企業、Rabilooのブログ編集部が、ベトナムラボ型開発が今直面している課題について書いていきたいと思います。少しの時間お付き合いいただければ幸いです。

ラボ型開発について詳しくは、ラボ型開発(ODC)とは?メリットとオフショアにおけるセオリーを解説という記事をご覧ください。

ベトナムがラボ型開発を得意にしている理由

ラボ型開発はチームとのコミュニケーションが何よりも重要になってくるため、コミュニケーションがとりやすい、というのが1番のポイントです。

ではなぜ、ベトナムはラボ型開発を売りにするようになってきたのでしょうか。

以下のような要素が関係しています。

  • 場数を踏んでノウハウが蓄積されてきた

  • 日本帰りのエンジニアが増えた

  • 若いリソースが豊富

場数を踏んでノウハウが蓄積されてきた

ベトナムでオフショアが始まった2010年代のイメージをいまだに持たれている方も少なくないですが、当時と比べると今の技術は飛躍的に進歩しています。

元々のオフショア開発の需要は、日本で上流工程を行い、ベトナムで実装、テスト、納品など下流工程を行うところに始まりました。しかし、近年ベトナムの開発現場ではプロジェクトの場数をこなしていく中で、開発のノウハウがどんどん蓄積されてきました。

結果、日本人とのコミュニケーションの取り方、日本のビジネス文化などに対する理解も深まり、長期にわたる関係を築いてきたベトナムベンダーは少なくありません。

さらに先端技術のキャッチアップの速さ、上流工程から任せられる提案力なども身についており、こうした理由から、ベトナムでは日本と共同で開発を進められるレベルに業界全体が成長してきました。

そもそも、ラボ型開発にはプロジェクトマネジメントに関するノウハウが欠かせません。ここ10年の開発現場で培ってきた経験値は、ベトナムがラボ型開発に強くなってきた要因の一つになっています。

日本帰りのエンジニアが増えた

ベトナムトップの理工系大学のハノイ工科大学では2006年から2014年にわたって日本のODA(政府開発援助)計画の一環で、JICA(独立行政法人国際協力機構)の運営によってHEDSPIというIT学部のコースで日本語のできる高度ITエンジニア育成プロジェクトが実施されてきました。

プロジェクト終了後も民間企業が教育を引き継ぎ、日本語人材が継続的に育成されています。

プロジェクトの成果として修了生の約80%が日系企業に就職し、エンジニアの多くが、日系IT企業に就職しその後、ベトナム拠点のリーダーに就任するケースも見られます。さらに日本帰りのエンジニアが帰国後スタートアップ企業を立ち上げ、日本のオフショア開発案件の受け皿となってきました。

彼らは日本の企業文化もよく理解し、日本語も堪能であるため、フィリピンやインドなどの諸外国に比べ、ラボ型開発をマネジメントしやすいチーム組織ができる要因になっています。

若いリソースが豊富

2022年の時点で、ベトナムの平均年齢は32歳で、労働人口は約5700万人と推定されています。ベトナムはIT国家戦略を掲げており、さらに国策でIT人材の育成に積極的に力を入れています。結果、毎年5万人の若いエンジニアが市場に送り出されています。

人口減少で深刻なIT人材不足を抱える日本と比べると、ベトナムは若いエンジニアリソースが圧倒的に豊富で、このことも開発リソースを確保しやすい要因になっています。

上述のHEDSPIプログラムでは、オフショア開発、特にラボ型開発には欠かせないブリッジSEの育成に力を入れていて、ラボ型開発の普及に貢献しています。

成長が頭打ちしているベトナムのラボ型開発

このように順調に伸びてきたベトナムのラボ型開発ですが、日本を相手にしたオフショア市場において、現場の肌感覚では成長がやや頭打ちしてきている感じがします。

以下の要因が関係しているかもしれません。

  • 歴史的な円安による利益減

  • 市場が飽和状態で差別化ができない

  • 日本市場に旨みがなくなってきた

歴史的な円安による利益減

コロナ禍でも順調に成長を続けてきたベトナムのオフショア業界ですが、2022年以降の円安では大打撃を受けました。案件数は増えても売り上げが20%落ち込み、単価の値上げを余儀なくされています。その結果、コスト削減のインパクトが以前よりも出ず、そのことは少なからず受注量にも影響が出ています。

また、長期にわたるラボ案件では、円安の影響で仕事量は変わらないのに売り上げだけ下がる、という結果を受け入れざるを得ない状況も続いています。

市場が飽和状態で差別化ができない

ベトナムでは日本案件を受けるスタートアップ企業が乱立した結果、市場が飽和状態になっています。どのオフショア企業も同じようなメリットを謳い文句にし、自社の独自性を出すのが大きな課題になっています。

また、下請け案件ばかり受ける規模の小さなオフショア企業は、会社の雰囲気にも閉塞感が見られ、優秀なエンジニアはキャリアアップできるより良い環境へ流出していくという悪循環に陥っています。

一方、明確な差別化戦略に成功している企業もあり、ベトナムオフショア業界は、市場に埋もれていく企業と頭ひとつ抜けていく企業と二極化する動きが見られます。

日本市場に旨みがなくなってきた

日本経済の落ち込みや円安の影響で、日本を相手にビジネスをするのに以前ほどの旨みがなくなっています。

今のベトナムの若者に多大の影響を与えているのは紛れもなく韓国で、日本の製品もカルチャーもすっかり韓国人気に取って変わられています。経済的にも韓国のベトナム進出は目覚ましく、日本ブランドを圧倒しています。

この空気感はオフショア企業にも流れていて、日本を見限り、韓国、ヨーロッパ・英語圏の市場を開拓する企業が増えています。

このように明確な戦略がなく、右に倣えで日本企業相手にコスト削減、若いエンジニアの豊富さだけを売りにしてきたオフショア開発企業は成長が頭打ちし、頭を抱えています。

二極化が進むベトナムのラボ型開発

開発の品質が上がり、技術が横並びした今のベトナムのベンダーにとって、差別化を図ることが何よりも大きな課題になっています。ベトナムのいわゆるオフショア開発企業は、独自のプロダクトや戦略を持つ企業と、思考停止でひたすら「低コスト」「高品質オフショア」をアピールする企業の二つに二極化が進んでいます。

日本の案件が取れない、案件が取れても利益が出せない、という目先の悩みから逃れるためにオフショア同業社の中には、アメリカや、ヨーロッパ市場に舵を切り替える企業も少なくありません。

しかし、日本の経済は落ち込んでいるとはいえ、日本市場にはまだまだ未開拓の分野があり、ベトナムのリソースが必要とされる局面が出てくることは間違いありません。

今後は、提案ができる企業、明確なビジョンやプロダクトをしっかり持っているベンダーがラボ型開発市場において成長していくでしょう。

この時期に踏ん張れず、英語市場に乗り出していくオフショア企業は、出すべき力が分散してしまい、結局中途半端な成果しか生み出せないでしょう。

ラボ型開発において最も重要なのは「共創」の精神です。息のあったコンビネーション、ストレスのないコミュニケーションが取れる関係が築けるかが成功の大きなポイントになります

確かに円安で日本市場の案件は利益が出にくくなってますが、逆に今しっかり日本市場での関係を築いておくことはチャンスだと考えています。

実はベトナムにとって、日本は欧米よりも考え方も文化も近く、開発がやりやすいと感じる部分もあるのです。一般的に欧米の方が、案件に対する要求が日本以上に厳しくなります。ベトナムにとっても日本は国民性が合い、良いパートナーなのです。

厳しい時期ですが、これからも日越、お互いの足りないところを補い合って共に成長していくビジョンを持てるかどうかが今後のラボ型開発案件の成功を左右していくでしょう。

まとめ

この記事では、ベトナムが日本向けのラボ型オフショア開発に強い要因と、ベトナムのオフショア企業が抱えている課題について解説しました。

ベトナムがラボ型オフショア開発を得意にしている理由

  • 場数を踏んでノウハウが蓄積されてきた

  • 日本帰りのエンジニアが増えた

  • 若いリソースが豊富

ベトナムオフショアが抱える課題

  • 歴史的な円安による利益減

  • 市場が飽和状態で差別化ができない

  • 日本市場に旨みがなくなってきた

Rabiloo(ラビロー)は2017年創業し、ベトナム・ハノイに拠点を置くソフトウェア開発企業です。2023年にブランドを一新し、オフィスを拡大し順調に成長しています。ソフトウェアだけでなくハードウェアまでカスタマイズ開発できる企業という強みを持っています。

創業メンバーは全員ハノイ工科大学卒業で、代表のクオンはハノイ工科大学のHEDSPI出身で日本でのエンジニア経験を積んでいます。

Rabilooのポリシーはクライアントと「共感する」ことです。クライアントとビジネスへの「深い理解」が、開発において何よりも重要だと思っています。取引先のクライアントの皆様は口を揃えて、「ラビローさんは人が良いんだよな」とお褒めの言葉をいただいています。それが、Rabilooを長期間にわたってラボ型開発を続けていただいている一番大きな理由です。

“Grow together.”

Rabilooのキャッチフレーズです。

共に成長でき、長続きできる開発パートナーをお探しの企業様、ぜひ機会を作って、ベトナム・ハノイのRabilooオフィスへ視察にお越しください。ハノイ到着後のアテンド、視察ツアー等、何でもお気軽にご相談ください。

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