オンラインで本人確認するeKYCとは?認証の仕組みを簡単に解説

Rabiloo

eKYCはオンラインで完結できる本人確認の方法です。
銀行で口座を開設するときや、電子マネーを申し込むときなど必ず本人確認が必要になります。これは、個人情報を保護したり、不正行為やなりすましを防ぐために欠かせません。
従来は本人確認を行うために、窓口や郵送で本人確認書類のチェックを行っていました。
しかし今では、2018年に行われた法改正に伴い、オンラインで本人確認が完結できるようになりました。
これを「eKYC」といいます。
ところが一般の認知度として、「eKYC」というワードはまだそれほど浸透していません。
さらに、オンラインで行う本人確認の安全性に不安を感じる人も大勢います。
そこで本記事では、eKYCとは何か、概要をわかりやすく解説し、デメリットや課題についても考えたいと思います。
eKYCとは?
eKYCとは、electronic Know Your Customer の略で、「イーケーワイシー」と読みます。
eKYCは日本語にすると「電子的に顧客を知る」つまり、「電子本人確認」です。
そもそもKYC(Know Your Customer)とは、金融機関で口座を開設するときに必要な、本人確認のことを指します。eKYCは、そのKYCにe(electronic)がついた電子版ということになります。
KYCとは
KYCとは、Know Your Customer、つまり特定の取引を行う際に、事業者が顧客の本人確認を行うことです。KYCは犯罪収益移転防止法(犯収法)により、金融機関など13の特定の事業者に対して義務付けられています。
犯罪収益移転防止法の目的は主に、犯罪で得た収益を、マネーロンダリング(資金洗浄)に利用されたり、テロ行為への資金提供を防ぐためにあります。
そのため、取引前に身元を確認することで、利用者と事業者を犯罪に巻き込まれることから保護します。
eKYCが必要になった背景
これまで本人確認は、窓口で直接行うか、郵送で行っていました。
しかし従来の方法では、確認作業に非常に手間と時間がかかり、サービスを利用できるようになるまで、数日〜数週間も待たなければなりません。
さらに従来のKYCでは、書類の改ざんなど、セキュリティ面でのリスクもありました。
これらの課題を解決するために、2018年11月に犯罪収益移転防止法(犯収法)が改正され、本人確認がオンラインで行えるようになりました。
オンラインで本人確認を行うことにより、手続きをスピーディに完了でき、なりすましなどの不正アクセスを一層強固に防ぐことが可能になりました。
eKYCによる認証とは
犯収法で認められた本人確認書類を用いたeKYCの認証方法は4種類あります。
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「写真付き本人確認書類の画像」+「容貌の画像」を用いた方法(犯収法規則6条1項1号ホ)
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「写真付き本人確認書類のICチップ情報」+「容貌の画像」を用いた方法(1号へ)
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「本人確認書類の画像又はICチップ情報」+「銀行等への顧客情報の照会」を用いた方法(1号ト(1))
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「本人確認書類の画像又はICチップ情報」+「顧客名義口座への振り込み」を用いた方法(1号ト(2))
このうち一般的に用いられるのは①「写真付き本人確認書類の画像」+「容貌の画像」(ホ)を用いた方法です。
この方法では、運転免許証などの、氏名・住所・生年月日が記載された写真付きの本人確認書類の原本と、申込者本人の顔写真を撮影し、スマホアプリを介して送信するという方法で本人確認を行います。
本人確認書類として、
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運転免許証
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運転経歴証明書
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在留カード
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マイナンバーカード
などを用いることができます。
eKYCが使われるシーン
eKYCはさまざまなシーンで使われるようになっています。
例えば以下のような場面で利用されています。
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銀行口座や証券口座の開設
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クレジットカードの申し込み
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QRコード決済の登録
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フリーマーケットやオークションの登録
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中古買取サービス
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携帯電話の契約
eKYCのメリット
eKYCは、従来の本人確認方法の課題を解決する形で登場しました。
eKYCには以下のようなメリットがあります。
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本人確認の時間を大幅に短縮
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コスト削減
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セキュリティの向上
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顧客満足度の向上
身分証明書の提出が不要
従来の手法である書類提出に比べ、eKYCはスマートフォンやパソコンを使って本人確認ができるため、外出しなくても手軽に手続きができます。また、身分証明書の写真を撮ることで、提出が不要になるため、手続きの煩わしさが軽減されます。
感染症対策で接触に制限がある場合でも、非対面で本人確認が完了します。
本人確認がスピーディに
eKYCはオンライン上で手続きが完結するため、手続きにかかる時間を短縮できます。特に、顧客の顔写真や身分証明書などの情報を読み取ることで、顧客情報の入力が自動化されるため、手続き時間が大幅に短縮されます。
また、提出が完了するとすぐに本人確認結果が通知されるため、手続き完了までの時間が短くなります。
コスト削減
従来の手法である書類提出や面接に比べ、eKYCはオンライン上で手続きができるため、時間と労力を節約できます。また、書類提出に伴う郵送や受領処理などの手続きが不要になるため、事務作業の効率化にもつながります。
セキュリティの向上
eKYCは、指紋や顔認証などの生体認証技術を利用した本人確認が可能なため、高い信頼性を持ちます。また、デジタルデータとして保管するため、情報の改竄や不正アクセスなどのリスクを低減することができます。
顧客満足度の向上
eKYCによって、顧客は手軽に本人確認ができ、早ければ即日でサービスを利用できるため、顧客満足度の向上につながります。また、個人情報の保護に関する法律に基づく規制が厳格化している現在、セキュリティ面での信頼性が高いeKYCは、顧客にとっても安心感があると言えます。
eKYCのデメリット
eKYCはこのように多くのメリットがありますが、デメリットもいくつか存在します。
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顔写真付きの身分証がないと使えない
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年配者には難易度が高い
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写真撮影がうまくいかない
顔写真付きの身分証がないと使えない
eKYCを利用するには、運転免許証など、顔写真つきの身分証明書が必要です。顔写真のない、健康保険証などは使えません。
そのため、運転免許証などの身分証明書がない人はeKYCを利用することができません。
年配者には難易度が高い
年配者など、ITリテラシーの低い人にとって、eKYCを1人で利用するのはハードルが高く、途中で離脱してしまう可能性があります。
eKYCのアプリをインストールしたり、使用するのに他人の助けが必要になります。
写真撮影がうまくいかない
本人確認のための写真撮影が、なかなかうまくいかなくて離脱される可能性があります。
免許証と顔写真を同時に撮影しないといけないタイプのアプリだったり、光の反射で文字が上手く写らなかったり、画像がブレてしまったりなどの問題が発生します。
eKYCで本人確認する仕組み
前述のように、eKYCで本人確認する方法は4種類ありますが、ここでは一番よく用いられる、「写真付き本人確認書類」と「本人の顔写真」を送信する(ホ)の方法について取り上げましょう。
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運転免許証など、写真付き本人確認書類をスマートフォンで撮影する。
このとき、表面と裏面、そして免許証などの厚みがわかるような写真も撮影します。 -
システムが本人確認書類の情報を読み取る
システムは、OCR(光学式文字認識)技術を用いて、身分証明書に記載された情報を自動的に取得します。 -
顔画像の撮影。
すでにスマートフォンに保存してある写真は使えません。リアルタイムで撮ったことを確認するために、撮影の際に、右や左を向いたり、うなずくよう指示されます。 -
AIによる顔認証。
AI顔認証システムは、生体認証技術を用いて、顧客の顔と身分証明書に記載された顔写真が一致しているかを自動で判断します。 -
システムが情報の照合と評価を行う。
eKYCシステムは、提供された身分証明書の情報と顔認証結果を照合し、本人確認を行います。また、システムは、情報の真正性や信頼性を評価し、本人確認の合否を判断します。 -
結果を通知する。
eKYCシステムは、本人確認の結果を顧客に通知します。
本人確認が完了した場合は、顧客はサービスの利用や手続きを進めることができます。
一方、本人確認が不合格となった場合は、サービスの利用や手続きを行うことができません。
一般的に、これら一連の審査はアプリ内で行いますが、目視による確認も行います。
RabilooのeKYCソリューション
eKYCで一番課題となるのは、なりすましの防止です。
画像を認識して本人と照合させることは、実はそれほど難しくありません。
難しいのは、偽物を見分けて正確に「はじく」技術を開発することです。
eKYCにおいて、写真やすでに撮影された画像をはじき、本人のリアルタイム画像のみを認証させるには高度な技術が求められます。
さらに、コピーなどの偽造文書を見分け、本物だけを認証させるのも同様に高度なセキュリティ技術が求められます。
弊社Rabiloo(ラビロー)は、ハノイ工科大学のコンピュータビジョンの専門家と協力し、セキュアなAI顔認証システムと、高性能AI-OCRを組み合わせた、eKYCソリューションを提供しております。
弊社のeKYCソリューションは、ベトナムの大手銀行でも採用されており、非常に信頼性の高いソリューションです。
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