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大量のPDFを効率よくOCR処理するには?課題に対処する5つの方法

2023/12/15
2023/04/04
大量のPDFを効率よくOCR処理するには?課題に対処する5つの方法

紙の書類を電子化することで、業務を効率化でき、情報の共有が容易に行えます。

しかし、PDFファイルは画像として保存されるため、テキストデータを抽出するにはOCR処理が必要です。

PDFファイルをOCR処理できるソフトがたくさんリリースされていますが、ファイルが大量になると処理に時間がかかったり、精度が低下して校正のために手間がかかりすぎるなどの課題もあります。

本記事では、PDFをOCR処理する際の仕組みや課題、大量のPDFを効率よくOCR処理するための方法を5つ紹介します。

現在ご利用のOCRに課題を抱えている担当者の方に参考にしていただければ幸いです。

 

 

OCRとは

OCR(Optical Character Recognition=光学文字認識)は、カメラやスキャナーで取り込んだ紙の請求書や書類などに書かれている文字を、コンピューターで自動的に読み取ってテキストに変換する技術です。

 

OCRは、紙の書類をスキャンした画像やPDFなどのデータを解析して、その中に含まれる文字を自動的に抽出し、テキストデータに変換します。

つまりOCRによって、紙の書類やハンコのデジタル化が可能になり、請求者などの書類の編集や検索が簡単にできるようになります。

 

OCR技術は、文字認識だけでなく、画像処理技術やAIを組み合わせて高度な処理が可能になっています。しかし、OCR認識精度には限界があり、誤認識や文字の漏れなどが発生することがあります。そのため、OCR処理後には校正作業が必要になることがあります。

 

 

PDFのOCR処理とは

PDFのOCR処理とは、PDF文書内に含まれる画像の中から文字を検出し、それをテキストデータに変換する処理のことです。

通常、PDF文書は「画像」として保存されているため、その中に含まれるテキストは検索したり、コピーしてWordに貼り付けるなどができません。OCR処理を行うことにより、これらの制約を解消し、PDF文書内に含まれるテキストを抽出できるようにします。

OCR処理は、手作業で文字を入力する手間を省くことができ、業務効率化につながります。

 

 

OCRでPDFのテキストを抽出する仕組み

OCRでPDFのテキストを抽出する仕組みは、以下のような手順で行われます。

 

PDFファイルをOCRソフトに読み込む

OCRソフトは、まずPDFファイルを読み込んで、PDFの画像部分を認識します。画像は、スキャナーでスキャンしたものや、写真やスクリーンショットをPDFに変換したものなどがあります。

 

文字の検出

次に、OCRソフトは画像内に含まれる文字を検出します。文字の検出は、画像内の文字を自動的に判別し、文字の位置や大きさ、色などを把握します。

 

文字の認識

OCRソフトは、検出された文字をOCRエンジンと呼ばれるモジュールに送り、文字の認識を行います。OCRエンジンは、検出された文字を解析し、それが何の文字であるかを正確に判別します。

これには、文字の特徴を学習するための機械学習アルゴリズムが利用されます。

 

テキストの生成

OCRソフトは、文字の認識が終了したら、認識された文字を単語や文章の形に組み立て、PDFファイルからテキストデータを生成します。OCRソフトは、生成されたテキストデータを、その後の処理に利用できるようにテキストファイルなどに保存します。



PDFをOCR化するメリット

PDFのOCR化には、以下のようなメリットがあります。

  • 検索の効率化
  • 生産性の向上
  • 情報共有の効率化
  • 機密情報の保護

 

検索の効率化

OCRによってPDF内のテキストを抽出することで、文書内のキーワードを検索できるようになります。従来は手動で一つ一つ文書を探さなければなりませんでしたが、そのような無駄な時間を削減し、業務を効率化できます。

 

生産性の向上

OCR処理によってテキストデータが抽出されるため、大量のPDFのテキストをいちいち手打ちで入力する作業が不要になります。これにより、作業時間や労力、コストを大幅に削減できます。また、OCR処理によって紙ベースの文書のデジタル化が可能になるため、文書保管スペースを減らすことができます。

 

情報共有の効率化

OCRによって抽出されたテキストは、文書内の画像とは異なり、テキストとして編集やコピーが可能になります。これにより、文書内の情報を簡単にコピーして共有することができるため、業務プロセスのスピードアップが期待できます。

 

機密情報の保護

OCR処理を使用することで、紙ベースの文書を電子化することができます。電子化することにより、紙ベースの文書を保管する場合に発生するセキュリティ上のリスクを回避することができます。また、OCR処理によって暗号化されたPDFを作成することができます。これにより、PDF内の情報を保護することができます。

 

 

PDFをOCR処理するためのフリーツール

PDFファイルから簡単にテキストを抽出できる無料ツールがたくさん出ています。

以下はほんの一例です。

 

Online OCR

Online OCRはネット上にPDFをアップロードして、Word、Excel、txtファイルに変換できるフリーのOCRソフトです。

最大ファイルサイズは15MBです。

 

PDF Candy 

PDF Candyはオンライン版とアプリ版があります。

オンライン版の最大ファイルサイズは10 MBで、無料版アプリは2回まで使用できます。

 

Googleドライブ

Googleドライブでも簡単にOCRが使えます。

以下の手順でPDFのテキストをGoogleドキュメントにテキスト抽出できます。

  1. マイドライブにPDFをアップロードする

  2. アップロードしたPDFファイルを右クリックする

  3. 「アプリで開く」を選択

  4. Googleドキュメントを選択

ファイルのサイズは2MBまでです。

 

業務用で使うなら有料版

OCRのフリーソフトは変換できるサイズが小さいため、業務での使用には耐えられません。また、精度や機能の面でも制限があるため、業務で使うためには、有料版のOCRソフトを選択する必要があります。

 

大量のPDFをOCRで抽出するときの課題

有料版のOCRソフトを使っても、大量のPDFをOCRで抽出する際には、以下のような課題があります。

  • OCR認識精度の問題

  • 処理時間の問題

  • OCR処理後の校正の問題

  • ストレージの問題

OCR認識精度の問題

大量のPDFを一括でOCR処理する場合、認識精度の低下が起こることがあります。これは、PDF内に存在する文字の種類やレイアウトのバリエーションが多い場合は特に問題となります。

OCRソフトウェアによっては、設定の調整や前処理の実施によって認識精度を高めることができます。

 

処理時間の問題

大量のPDFを一括でOCR処理する場合、処理時間が長くなることがあります。特に、OCR認識精度を高めるために処理に時間がかかる場合があります。このため、処理時間を短縮するためのバッチ処理や自動化の方法を取り入れることが重要です。



OCR処理後の校正の問題

OCRソフトウェアは、認識精度が100%ではないため、処理後に校正が必要な場合があります。

特に、大量のPDFを一括でOCR処理する場合、校正にかかる時間や担当者の負担が大きくなることがあります。このため、校正ツールの活用や、OCR認識範囲の限定など、校正作業を効率化する方法を取り入れることが重要です。



ストレージの問題

大量のPDFを一括でOCR処理する場合、OCR処理前と処理後のPDFファイルを保存するためのストレージの容量が必要になります。特に、PDFファイルのサイズが大きい場合、ストレージの容量に余裕が必要です。このため、ストレージの容量を事前に確保しておくことが重要です。



大量のPDFを効率よくOCR処理する5つの方法

大量のPDFをOCR処理する際の課題に対処する方法を5つご紹介します。

  1. PDFの品質を改善する

  2. バッチ処理を行う

  3. OCRソフトウェアの設定を調整する

  4. AI OCRに切り替える

  5. OCR開発を依頼する

 

PDFの品質を改善する

OCR処理前にPDFの品質を改善することでエラーを減らすことができます。たとえば、

スキャナの解像度を300dpi程度に調整したり、白黒でスキャンしたりすることでOCRの精度を上げることができます。さらに、ページの傾きを修正したり、不要な背景を除去したりすることで、OCRエンジンがテキストを正確に認識できるようになります。

 

バッチ処理を行う

OCRのバッチ処理とは、複数のドキュメント(画像やPDFなど)を自動的に処理することを指します。

一般的に、OCR処理は単一のドキュメントに対して行われますが、バッチ処理では複数のドキュメントを一度に処理することができます。バッチ処理を使用することで、大量のドキュメントを短時間で処理することができ、効率的にOCR処理を行えます。また、OCRソフトウェアによっては、バッチ処理に必要な設定やオプションを指定できる場合があります。

 

OCRソフトウェアの設定を調整する

OCRソフトウェアには、認識精度を調整するための設定があります。これらの設定を適切に調整することで、認識精度を向上させることができます。例えば、OCRソフトウェアには、文字認識のモード、辞書の設定、フォントの設定などがあります。

 

AI OCRに切り替える

現在お使いのOCRソフトウェアの精度や使い勝手に不満をお持ちの場合、AI OCRサービスへの切り替えを検討することも選択肢の一つです。

従来のOCRでは、あらかじめ決められたルールに従って文字認識を行っていましたが、AI OCRでは、機械学習やディープラーニングなどの技術を使い、より高い精度で文字認識を行うことが可能です。また、AI OCRは、大量のデータを処理する場合にも高速かつ正確な結果を得ることができます。最近では、AI OCRがビジネス分野や公的文書のデジタル化などに広く活用されています。

 

OCR開発を依頼する

市販のOCRサービスは汎用的に作られているため、自社業務でよく使うフォーマットに対応していなかったり、業務プロセスに合わなかったりすることがあります。

また、テキストは抽出できても、例えば通帳の罫線や枠に合わせて抽出できないような場合、手動でエクセルなどに項目ごとに整理しなければならず、非常に手間がかかります。

最終的な方法として、AI-OCRソリューションを自社開発することも検討できます。機械学習を活用し、自社のビジネス要件に応えるOCRをフォーマットごとにオーダーメイドで作成できるため、読み取り精度が大幅に向上します。

 

まとめ

PDFをOCR処理して書類をデジタル化することには多くのメリットがあります。

しかし、大量のPDFをOCR処理するには多くの課題があります。

記事の中でご紹介した、「大量のPDFを効率よくOCR処理するための5つの方法」をぜひお試しください。

  1. PDFの品質を改善する

  2. バッチ処理を行う

  3. OCRソフトウェアの設定を調整する

  4. AI OCRに切り替える

  5. OCR開発を依頼する

 

弊社Rabilooは、ハノイ工科大学と協力し、AI-OCRの研究開発を行っております。

AI-OCR開発事例:レシートからデータを読み取る

すでに自社開発したAI-OCRソリューションを、お客様のご要望に応じ、カスタマイズしてご提供いたします。

最近は日本企業様からの、OCR関連の引き合いが増えており、現在お使いのOCRの読み取り精度に関して課題を抱える企業様が多いことを肌感覚で感じております。

現在ご利用のOCRの精度に課題をお持ちの企業様、ぜひお気軽に弊社までご相談ください。

 

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